2015年12月17日

ラップ口座は資産運用担当者を雇うと考えてみると

最近ラップ口座の宣伝や記事を目にすることが多くなってきました。
ラップとは英語の「wrap=包む」という意味で、なじみのある食品用ラップフィルムのラップと同じwrapです。
49f2be262a764ab38dc84b92421d3dc7_s
 

■ 人気沸騰中。近年急速な伸びを示しているラップ口座

平成25年3月末のラップ口座の契約状況は、契約残高約7,700億円、契約件数5万件超でした。
1年半経過後の平成27年9月現在では、契約残高 5 兆円を越え、契約件数も約43万件 となり残高で約7倍弱、契約件数では約8倍と凄まじい伸びを見せています。

 

■ ラップ口座普及の背景

普及の背景には最低投資金額が大幅に引き下げられ「ファンドラップ」と呼ばれるラップ口座を持つことのできる人が増えたこと、
信託銀行や証券会社などが積極的に取り組んでいることがあげられます。
ラップ口座は元々富裕層向けのサービスで最低投資金額は少額なものでも3000万円以上でした。
しかし、現在では最低投資金額300万円からなど大幅に下がり、多くの方に利用しやすいという感覚が広がったのではないでしょうか。
ラップ口座は金融機関が顧客の金融資産を一括して運用するための口座です。
「資産運用をはじめたいけど、何をしたらいいかわからない」
「プロのアドバイスを聞きながら運用したい」
という人にとっては魅力的に映るかもしれません。
担当者が顧客のニーズを元にポートフォリオを組み、それに合わせて運用、そして「定期的な見直し」というPDCAサイクルを繰り返していくことになります。

 

■ 毎年3%で担当者を雇うと考えてみる

手数料の体系は株取引や投資信託の購入とは違って複雑です。

売買ごとの手数料は発生しないものの、総資産に対して、
①ファンドラップ手数料と②投資一任手数料が掛かります。
そしてそれらが預かり資産に対しての料率のものもあれば、成功報酬型もあります。
さらに別途ラップ口座内で購入する投資信託の信託報酬がおよそ1~1.5%ほどかかります。
手数料が何層にもなっており、複雑です。

なんだか複雑だから良いのでしょうか?
資産運用において、パフォーマンス、利益を上げるのに手数料の問題は避けて通ることができません。
手数料は資産金額および会社によって異なりますが、ラップ口座に掛かる手数料が年間3%として考えてみましょう。

5000万円の3%で150万円。年間150万円で資産運用担当者を一人雇えるのであれば安い。
そう考える人もいらっしゃるでしょう。ただし資産運用担当者はあくまでも「従業員」、しかも専属ではありません。
従業員ですからうまく行かなかった責任は経営者つまり自分自身で取らなければなりません。
さらに、運用商品は元本割れの可能性もあるリスク商品です。従業員が一生懸命働いてくれたとしても、仕事がうまくいく保障はどこにもないのです。しかもそれでもお給料は払わなければなりません。
年10%の利益が上がった年は、3%従業員に渡して7%自分の資産にすることができますが、10%損失が出た年は、従業員分と合わせて13%以上の赤字です。
(手数料算出日の状況によるので概算です。)

理念や方針、市場やコストに影響を受けるのはビジネスと一緒です。
そして、この「定期的な見直し」というのも問題点で、注意しなければなりません。マーケットに合わせて臨機応変に対応するのではないのです。
「定期的な見直し」のタイミングで心理的に揺さぶられますので、
経営者(投資家)として揺さぶられない確固とした方針を持っておくことが大切です。

 

■ 投資は自分が主役

少しのやる気と好奇心があれば、自分自身で、投資方針を決定し、自身で投資信託を選び、ポートフォリオを組み投資家となることは十分可能です。
そしてラップ口座を使っても使わなくても投資は自己責任が大原則。
決して人任せにするのではなく、自分が主体となって考え、楽しみながら投資をしたいものです。

コメントを残す



%d人のブロガーが「いいね」をつけました。